丸の内にある三菱一号館美術館にて開催されていた
展覧会に行ってきました。
「KATAGAMI STYLE 世界が恋した日本のデザイン」
そもそも型紙というのは、江戸紋付や浴衣などに
図柄を染め付ける「型染め」に用いられる伝統的な道具だそうです。
型紙は紙に彫刻刀で四季折々の文様を彫り抜き、
(しかもその彫刻刀も図柄によって用いる彫刻刀が異なり、
いい道具がなければその場で職人が彫刻刀を作ります)
紙に柿渋を浸して貼り合わせることで紙の伸縮を防ぎます。
(耐水・防虫効果も)
さらに彫り抜かれた文様は糸で補強されています。
ものすごい細やかな職人技術に惚れ惚れします。
19世紀後半、万国博覧会をきっかけに欧米に渡った日本の
型紙は様々な博物館やコレクターに収集され保管されていたそうです。
イギリスのリバティ百貨店や、フランスのアールヌーヴォーなど
型紙に影響を受けて完成した作品たちが見応え満点で展示されていました。
浮世絵がゴッホやモネに影響を与えたように
型紙も当時の芸術に深く影響を与えたそうですが、
素晴らしい日本の伝統文化であるどの型紙作品も、
今どこが所蔵しているという情報だけで、
一体誰がデザインしたものなのか、どんな職人によって
作られたものなのかわかりませんでした。
日本の伝統文化や、日本の芸術はしっかりと
日本の文化として作者共々後世に継承していきたいもの
だなぁとなんだか悔しく感じました。
それにしても四季折々、花鳥風月、さまざまな文様が
職人の手によって彫りぬかれた型紙は本当にステキでした。
日本の型紙を参考にして発表された欧米諸国の作品も
ランプ、椅子、食器棚、カップ、ポスターなどの
作品がステキだったのはもちろんのこと、壁紙の模様や
色使いも外国ならではの組み合わせで興味深かったです。
このあとこの展覧会は京都、三重でも開催されるそうです。
音楽の様に当たり前に耳に届き、
使い慣れた器の様に生活に溶け込み、
恋愛映画の様に感動を分かち合える。
絵画だって、もっと気軽に楽しめるものであっていいはずです。
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